スタッフの日記

2月1日(木)晴れ
 年が明けてあっという間にもう2月。日々に流されてる間にこの日記
も今日が今年初めてになってしまった。そして年明けそれなりに色々と
あった。ン十年前のハワイ新婚旅行以来という暑さの正月。元日一日
だけ休んで営業。4日、店でちょっとした事件があり、警察まで出動して
もらう騒ぎに…。ベトナム人女性の激しさ・恐さはハンパではなかった。
月半ば、開店以来マネージャー候補として頑張って来てくれたワンさん
が事情により退店し、替わりにチンちゃんが入店。これで、開店当初の
料理場のトップとサービス係のトップ双方が退店となった。どこでもそう
だけど、中々当初の思い通りに事が運ばす、特に人の問題は本当に難
しい。25日深夜、日本と中国へ発つ。昨年の7月以来、殆どベトナムに
居続けとなり、メール・電話で絶えず連絡し合ってるとはいえ、これはマズイ。新地の店にたまたま高校の同級生が
来てるというので顔を出したら、席に着いてた女の子2人ともが初対面。「社長です」「初めまして」と何か変な感じ…。
景況は悪くはないとは言うものの、社用交際費は激減し、それに頼って来た北新地の景気は今ひとつ。若者相手の
店が増えて、かつての社用族の盛り場といった雰囲気は急速に薄れている。それにしても、街に本当に活気がない。
そんな新地から無錫へ。一変、こちらはスゴイ活気。日々変貌しているのが実感できる。今回は北京経由で行ったけ
ど、空港のスタッフ(トイレの掃除係まで)のほぼ全員が「ニーハオ」と挨拶するのには驚いた。オリンピックを控えて
かなりのマナー教育が実施されてるんだろうけど、いろんな点が眼に見えて改善されてる。たどり着いた無錫も日々
新たといった感じ。ただそんな中、無錫市政府の方針もあってか、胡蝶のある無錫大飯店周辺の日本人街の景気が
工業団地のある新区に押されて良くなく、25店ほどある日本料理店の半数ほどが売りに出されてるとかいう情報も
あり、問題はかなり深刻。ともかく皆で食事して奮起を促す。それにしても、無錫胡蝶の料理はキレイ。店も広い。
それだけに何とかしなくては…。31日の夜中国を発ちホーチミンへ。機内で隣り合った若い東洋人女性に未知のも
のがあり、聞いてみるとモンゴル人とか。初めて話すモンゴル人だったけど、何か草原の匂いがした…。12月の初め
に日本から船便で着いた焼酎「胡蝶の夢」48本がもうそろそろ底を着くので、1ケースハンドキャリーで持ち込んだ。
「1ケースくらいなら問題ない」とのことだったけど出口の手荷物検査のおっちゃんにキッチリ20ドル取られた。それで
も船便の時は1本11ドルの税金だったから、かなりの安上がりだった。
2月17日(土)晴れ

 今日はテト(旧正月)の元日。中国と同様旧正月のこの国での一番の
行事。しかも春節(旧正月)以外にも国慶節等の休みがある中国と違っ
て、ベトナムではテトだけが唯一まとまった休みらしい休日。それだけに
みんなの力の入り方がハンパではない。今月に入っての話題と関心は
殆どこれ。年末にいろんなカレンダーを持って来た業者は、今度はお歳
暮。缶ビールが多かったけど、中にはきれいな各種詰め合わせも・・・。
年末には、厨房のコンロに感謝の線香とお供え。日本・中国でも見たこ
とがない日本的?な風景。女の子達の笑顔もいつもより輝いてる。そし
て大掃除。店内すべてをきれいにして、入口に国旗を出して、昨日の大
晦日から休みに入った。今日、植木に水をやるために店に来たけど、
いつも大勢の人とバイクの通りが全くの無人になってた。と、でもこれだけの正月。中国のように夜空が明るくなる程
の花火・爆竹があるわけでもなく、正月飾りがあるわけでもなく、人々が着飾るわけでもなく、ただ街中みんな休んで
この暑さの中、身内や友人とただひたすら食べて飲んで…というだけ。何か物足りないなぁ・・・。
3月13日(火)晴れ
 旧正月前に中国無錫へ帰国したまま、車君が戻って来ない。どうして
も話し合いたい問題があり、それが解決するまで無錫を動かないという
ことなので、急遽3月3日の深夜に中国へ発つ。北京まで行ってそこか
ら飛行機で無錫へ。北京はまだ雪が残ってた。4日昼過ぎに無錫着。
上海経由より飛行機&飛行機なだけ、幾分楽に感じる。そのまま店に
直行。いつもと同じ空気だった。夜、営業が終わってから話し合い。
ぼくも把握してなかったいろんな問題が重なり合ってあり、結果、開店
以来2年半以上一緒に頑張ってくれてた料理人の上位4人が、料理長
の劉君と車君ら3人に完全に分裂していた。個別にも話し合ったけど、
とても修復は不可能で、二者択一を迫られることになった。諸々の分は
車君ら3人にあり、即日劉君には辞めてもらうことにした。事前に思ってもなかった展開となり、かなりショックだった。
料理センス抜群の劉君が抜けるのは本当に痛いけど、仕方がない。これで車君も当分は無錫で頑張ってもらうしか
ない。一件落着でみんなの表情も明るく、「頑張ります!」と元気だったけど、ちょっと不安…。そんな無錫を後に7日
の夜大阪着。今月から北新地のダナで絵麻がママとなり、新しい体制になったのを見に行く。北新地は相変わらず
活気が無く、古くからの顔馴染みの経営者何人かと話したけど、全員が「あかん!」と悲観的だった。店はそれなりに
お客さんが入ってたけど、やはり活気が無かった。街にはチェーン展開している食べ物屋さんだけが増えて、帰るた
びに新地らしさが無くなって来ている。「新地新聞」を出してるKICも思うように伸びず、ここも活気がない。このままで
はダナ・KICという本丸の北新地が陥落しかねないけど、起死回生の一手も思い浮かばず、時代の流れに乗れない
自身を痛感。ベトナムでの買い物等をして、12日の深夜ベトナムへ戻る。
3月17日(土)晴れ
 店から十数キロ離れた飛行場近くの自宅までバイク通勤してたけど、
運動不足もあって自転車通勤に切り替えることにした。ランチが終わっ
てから、チンちゃんと一緒に自転車屋へ行き、クロスバイクを買った。
215万ドン(約1万6千円)という信じられない安さだった。重さ等々特に
問題もなく、早速乗り始めた。バイクで約15分だった通勤時間も殆ど
変わらず、多少排気ガスが気になるけど、まずは快適・・・。
3月18日(日)晴れ
 昨年12月中旬に辞めた料理長だったチャオ君がまた働きたいと言って来た。辞めた経緯等も考えてちょっと躊躇
したが、車君も当分来れそうになく、ハイ君がバイク事故で指を骨折して今日から休むということもあり、暫らくはバイ
トとして働いてもらうことにした。せっかく作ったバーカウンターが今日まで殆ど機能しておらず、そこを寿司カウンター
にとも考えており、寿司ができるチャオ君はその意味では適任なんだけど、果たして・・・。
3月21日(水)晴れ一時雨
 昨日今日と、午後に本格的な雨が降った。雨季の始まりは5月頃からと聞いていたのに、随分と早い雨だった。
スーパーに合羽を買いに行ったけど、まだ乾季ということなのか準備されておらず、それでも道端では抜かりなく
販売する者があり、仕方ないのでその安物を買った。
3月26日(月)晴れ

 無錫と違ってこちらでは海産物が豊富。しかも一般的に大きい。
一見ウマズラハギに似たウスバハギ。薄っぺらいけど、50cmほどの
大きさがある。勿論カワハギ科で、うす造りなど味もそれなりにいける。
イカもかなりの大きさのものが出回ってる。これも甘くて美味しい。
タコも大きいものが多いけど、これは味が今ひとつ。サーモンは無錫と
同じノルウェーからの冷凍物だけど、何故かこちらで売ってる方が質が
いい。あと、日本では見かけない諸々があるけど、味はやはり大味なの
が多い。
3月30日(金)晴れ

 メニューに鮨を加えることにし、その試作。かなりの経験のあるチャオ
君が作り出すとみんな興味津々。特に女の子達が熱心に見てた。大阪
の北新地で各種飲食をやって来たけど、鮨だけは初めて。ネットでいろ
いろ調べたりして、チャオ君にアドバイス。特にすし飯に気を使った。
普段何気なく食べてるけど、いざ売物を作るとなるとそれなりに難しい。
これから、それなりの試行錯誤が必要だ。
4月14日(土)晴れ

 今日、店へ行くと店内から「ピヨピヨ」とひよこの鳴き声が…。見ると
可愛いアヒルの子が元気に鳴いてた。「どうしたの?」と聞いてびっくり。
普通の日本人なら思わず引いてしまうベトナム料理に「ホビロン」があ
り、ぼくもまだ食べたことがないけど、アヒルの孵化直前の卵をゆでたも
ので、見た目はかなりグロテスクだけど、なかなか美味しいとか。その
ホビロン用の卵?から、ホビロンにならずに実際にアヒルが孵ったとい
うことらしい。わずか1時間ほど店にいただけで、どこかへ行ってしまっ
たけど、あの可愛いアヒルの子の運命はどうなるんだろうか?
4月27日(金)晴れ

 住んでる家は行き止まりの細い路地に面して立ってるけど、毎日朝早
くからいろんな物売りの大きな声が聞こえる。バナナ売りだったり、廃品
回収だったり、諸々の修理屋だったり、みんな自転車に乗って、大きな
声でゆっくりと回ってる。今朝、ドアを開けて出ようとすると、目の前で
店開き。見ると野菜・果物(後輪の両側)から生きた魚(手前の赤バケ
ツ)豚の生肉(左横の四角い箱)まで、一通りの品物が揃ってる。おばさ
んが一人(黄緑のパンツ)買ってて、思わずシャッターを切った。



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