スタッフの日記
8月1日(水)晴れたり曇ったり一時雨
今日は、知り合いのベトナム人の結婚式に招待された。以前、店の
チャン君の結婚式に出たのに次いで、2回目の結婚式。チャン君の時
は街外れだったが、今度は街中での結婚式。先ず、その会場に驚かさ
れた。会場の大きな入口の片側には、今日ここで式を挙げる着飾った
10人以上の新婦、その反対側には同じく着飾った10人以上の新郎が
出迎えていた・・・と、入口の両側に居並ぶ若い男女を見てそう思ったけ
ど、実はみんな会場の従業員達で、これも演出のひとつだった。会場の
建物はU字型の2階建てになってて、その殆どが式場で、全部で20ほ
どもあった。そしてバイクの駐輪場。参列者の多くは当然バイクで来る。
でも駐車場は無い。ちょっとしたテーマパークといった感じだった。
招待状は5時半開始となっていたが、ベトナム時間に合わせて、6時前
に会場へ。大勢の人で混みあってた。2階だった式場に行こうと建物に
入ろうとした途端、突然真っ暗闇に。停電だ。中国と同様、停電は日常
茶飯事。建物にも入れず、ウロウロしてたら10分ほどで回復。式場へ
入る。開始時間から30分以上も経過してたけど、まだ半分位の入り。
6時半過ぎ、突然式場が真っ暗になり、又停電かと思ったが、ようやく
式の始まりだった。先ず、正面ステージで男女ダンサーのショーがあり
続いて新郎新婦と両家族がステージで紹介される。その後、新郎新婦
のケーキカットがあり、それを終えた2人が花道を歩いてくる、と式の演
出らしいのはここまで。後は新郎新婦が各テーブルを回るだけで、ただ
ひたすら飲み食いするだけ。その間、正面のステージでは、生バンドに
よるカラオケ大会…。真ん中の花道をはさんで、新郎側、新婦側と一応
席は分けられてるみたいだけど、何処に座るのかは全くの自由。ぼくの
席にも10人ほど座ってたけど、誰が誰だか全く分からず終い。しかも
式が始まって1時間以上してからでも招待客はやって来て、入口近くだ
ったぼくのテーブルにちょっと座っては別の所へ行ったりする。服装も、
女の人はそれなりだったが、男の人は完全に平服。作業着やTシャツと
いうのもあった。それにしても大勢の人だ。400人以上はいた。というこ
とは、この会場全部では1万人近くもいることになる。本当にすごい。
そして自由解散。食べ終わった者が順次帰っていき、空いた所では後
始末も始まる。半分ほど帰った所でぼくも失礼した。階段を下りると、下の階のカップルが入口で記念撮影してた。
中々の美男美女だった。そして雨…。来るときは全くその気配すらなかったのに、これが雨季だ。見てると、みんなも
着飾ったままカッパをかぶって帰って行く(当り前か?)。驚いたのは、かなりの高齢と思えるお婆さんまでが、着飾っ
たまま、周りに手助けしてもらってバイクタクシーで帰って行った。モンゴル人が馬の上で死ぬのならベトナム人はバ
イクの上で死ぬのか?!チャン君の時とは又違ったおもしろい経験だった。
8月6日(月)〜17日(金)
5日の営業が終わってから、空港へ。深夜1時半の便で上海浦東へ。
出発が遅れて8時半過ぎ上海着。直通バスの始発まで時間があったの
で、上海駅までバスで行ってそこから汽車に乗った。上海駅は相変らず
大混雑だった。昼過ぎ無錫着。暑い!ベトナムよりはるかに暑い!この
日は37度だったけど、つい数日前まで39度だったらしい。今回の一番
の目的は家賃の契約更新。丸3年経っての契約更新だ。一ヶ月ほど前
からいろいろと攻防があり、その最終決着。当初50%アップと言って来
て、あまりのことにNO!と言ったら、80%アップして来た。嫌なら出て
行けということらしい。いかにもイケイケの中国らしい。そこであの手こ
の手でいろいろと頑張り、何とか40%ほどのアップで決着した。但し、
毎年10%のアップだ。この所場所柄が悪くなって、業績が余り良くない
だけに、頭の痛いことだ。7日の夜、店が終わってからみんなの希望で
ザリガニを食べに行った。一匹を割ると小指半分ほどの身があり、薄い
手袋をはめてそれをひたすらしゃぶっていく。2年ほど前にも行ったこと
のある店だったけど、以前は殆ど食べられなかったのが、今回はそうで
もなかった。味が良くなったのかぼくの味覚が変わったのかは不明だ。
それにしても安い。ザリガニ以外にもいろいろと食べて飲んで、それで
一人400円ちょっと。胡蝶とは1桁近く違うこの安さにはいつもながら
考えさせられる。9日の昼過ぎ、汽車で無錫から上海へ。この春前から
運行が開始された新幹線「和諧号・CRH2」に初めて乗った。なんでも
東北新幹線「はやて」がベースになってるらしいが、例によって中国国
内では「国産技術」ということになってるらしい。車内も日本の新幹線そ
のもので、時間の早さも勿論だけど、それ以上に、乗り降りの時にホー
ムと段差がないことや、車内の快適さが有り難かった。上海から浦東ま
でバス。上海の摩天楼は相変らず増殖してた。夕方6時15分の便で関
空へ。そして帰った日本も暑かった!こちらも連日37度前後で、やはり
ベトナムより暑い!翌10日の夜は久しぶりに店に出る。盆休み前最後
の営業とあってそれなりに忙しかった。11,12の土日休んで13日に
ベトナムへ戻るつもりだったけど、お盆の為にチケットがない。それで
17日までいることになった。店も盆休みでやることもなく、家の近くの
「箕面スパーガーデン」に行ったくらいで、本当に久しぶりにただダラダ
ラと時を過ごし、プチ夏休みとなった。17日、例によって多量の買出し品を抱えてベトナムへ戻った。
8月18日(土)晴れたり曇ったり一時雨
店が終わってカウンターの所で仕事してると、女の子達が「社長、こち
らへ来て下さい」と、客席に引っ張っていった。見るとテーブルをくっつけ
て、真ん中に大きなケーキがあり、バケット、チキン等パーティーの準備
が出来てた。ケーキには「happyBirthday SHACHO」の文字と6と1
の大きなローソク。そう、ぼくの誕生日祝い。15日で還暦。あっという間
の還暦だった(ベトナムでは数えなので61)。この仕事を始めて約30
年。誕生日はいつもお盆休みなので、店で祝ってもらった記憶がない。
それが還暦にベトナムで祝ってもらうこととなった。昔の予定では、還暦
はもう少し優雅にのんびりと迎えてるはずだったけど、人生は思うように
はいかない。でも、明るく素直な女子達に囲まれてのこの還暦祝い、結
構得難いものかもしれない(ケーキも美味しかった)。そのあと、みんなでカラオケへ行き、遅くまで楽しんだ。
9月3日(月)晴れ一時雨
ランチが終わってから、チンちゃんと店の備品を買いに行った。先ず
は市場へ。いつもながら駐車場のバイク群には驚かされる。。店近くの
ベンタン市場へはよく行くが、今日の買い物はこちらの方がいいとのこ
とで、初めての所だった。ベンタン以上に通路が狭く、人一人がようやく
通れる広さしかなかった。チンちゃんの値切り方が中国のロンちゃんと
同じでおかしかった。例えば、¥10の品物だと¥6と値切る。相手はそ
れでは話にならないと断る。暫らく押し問答するけど結果は同じ。すると
「それなら要らない」と店から立ち去る。ゆっくりと歩いて、相手が声を掛
けてくるのを待つ。すると7割方相手が声を掛けてさらに多少安くなって
交渉は成立する。が、今日は相手が声を掛けてこなかった。それで、店
の近くでちょっと佇んだ後、仕方なく店に戻って相手の言い値(それでも当初からは安い)でしぶしぶ買っていた。そん
な市場の後、次はスーパーへ。ここもすごく混んでた。今日は、昨日の独立記念日が日曜日だった為の振り替え日と
のことで、そのせいなのだろうか、ともかくすごい人ごみだった。スーパーでは値切りは無し…。無事買い物を終えて、
2人でソフトクリームを食べて、店に戻った。
9月7日(金)晴れ時々曇り一時雨
今日はチンちゃんの誕生日。店が終わってからみんなでベトナムによ
くある路上(歩道)食堂へ。夜11時前後だったけど、結構な人だった。
今日は羊肉料理。先ずは羊の乳房の焼肉。そして羊肉鍋。焼肉、鍋共
にそれなりに食べられた。13人で飲んで食べて40万ドン(3千円弱)。
いつもながら、その安さには脱帽…。驚いたのは、テーブルのすぐ横で
オッチャン2人が仕事してたこと。考えてみれば当り前で、店は歩道上
にあって当然横に広がっており、他人の家の前も占領してる。そしてオ
ッチャン達は自分の家の前で仕事してただけ。それにしてもオッチャン
たち、一度もこちらを見ることもなく、全くこちらの存在が目に入ってな
い感じだった。見ると、中古のシリンダーとピストン、ピストンリングを磨
いてて、ぼくらの食事が終わる頃、オッチャンたちも仕事が終わって、磨き上げたピストンリング等を紙に包んでた。
そして食べ終わった後、いつもの如くあっけなく解散…。
9月23日(日)晴れ一時雨
9月15日、早朝3時40分発の便で北京経由で関空へ帰った。丸3日
大阪に滞在して、無錫へ。今回は、諸々の都合で成田から行くことにし
た。久しぶりの東京だったけど、新幹線の最終便で着いて翌朝一番で
成田へ向かったので、ただ寝たというだけだった。今回の無錫での最
大の目的は障子の張替。3年近く張り替えてなかったので、かなり汚れ
てた。大きな障子16面と小さな障子26面。2日係りの仕事だった。張
り替えてる時は、その前後の汚さ、キレイさは歴然としてたけど、張り終
えて実際に元にはめ込んでみると、思ってたほどの違いは感じられな
く、ちょっとガッカリだった。この所ずっとベトナムで、無錫は放ったらか
しといった状態になってるのに、料理の水準も落ちてなく、みんなよく頑
張ってくれてるのがうれしい。結局丸4日いて、ホーチミンへ戻った。
9月28日(金)晴れ時々曇り
ホーチミンへ出店して約一年。出来ればもう少し広い所をといろいろと
探したけど、帯に短し襷に長し、中々思うような物件が見つからない。
何より家賃が驚くほど高くて、北新地より高かったりしてる。そんな所へ
ベトナム第3の都市ダナンの話があった。ついこの間までダナン唯一の
カラオケラウンジをやってた所。実際に行って見てみると、キレイな3階
建ての一軒家で、2階だけを使ってた。1階をレストランにすれば、座敷
も3室は取れて、テーブル席もかなりとれそう。何より家賃が安い。ホー
チミンとハノイの中間辺りで、日本人の数もまだ少ないけど、将来性も
ありそうで街も落ち着いてて良い感じなので、思い切って進出すること
にし、今日契約した。とりあえずは残ってるスタッフでカラオケラウンジを
やり、年内にもレストランを開店できればと思う。果たしてうまく行くんだろうか?
10月14日(日)晴れ時々雨
先週の日曜日(7日)から昨日まで、HCM胡蝶の1周年をやった。全
品15%OFFと、無錫でやってる「おまかせ」をちょっと形を変えて「感謝
おまかせ」として$12.0で提供したが、有り難いことに予想を超えるお
客さんが来て下さった。HCM胡蝶は家賃が高いこともあって、思うほど
の利益は上がらないけど、1年経って何とか落ち着いてきた。料理長で
苦労して、結局この数ヶ月料理長を置いてなかったけど、ダナンへ行く
こともあり、Hai君を料理場の責任者に任命した。昨日からダナンで働
いてもらう料理人のトム君も店で研修を開始し、とりあえずはダナンへ
行く体制は整えた。
10月16日(火)晴れ時々雨
昼前、チンチャンのバイクで飛行場まで送ってもらい、12時半の便で
ダナンへ向かった。店は既に11日から営業を開始しており、予想通り
数は少ないけど、毎日何人かのお客さんは来て下さってる。女の子9人
と男性スタッフ3人、それにママという布陣。商品である女の子はみんな
純朴で可愛いけど、日本語が殆ど出来ない。レストランが開店するまで
の3ヶ月ほど、何とか赤字にならない程度で行ってくれると有り難いんだ
けど、果たしてどうなることか…。
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